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短いお話をつぶやいてみる。夢系の話が主になると思いますが、名前変換機能はないです。

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鬼道さんと私・13

鬼道さんと田口さんの通常運転


***


「私がもし鳥だったら、勉強しなくていいんでしょうか」

「どうしたんだ、らしくないな」

「…なんとなく、そう思ったんです」

「…そうか」

「もし鳥になるなら渡り鳥が良いです。色んな所に行きたいから」

「南の方は、温かそうだな」

「そうですね、きっと海も珊瑚とかできれいで…泳ぎたくなりますね」

「なら、イルカとかはどうだ?」

「いいですね、あんなに早く泳げたら気持ちいいでしょうね」

「…田口」

「はい」

「その旅は、一人で行くのか?」

「………分かりません」

「…もし、お前が鳥になったり、イルカになって旅をするなら、その時は」

「…その時は?」

「…俺は、どうしたらいいんだろうな」

付いていきたいというには自分の立場は軽くなく、離れてしまうには彼女の存在も軽くない。
だからきっと、笑顔で見送ることなんて出来ないだろう。

付いてきてほしいとは思っても、そんなの軽々しく言えるわけがない。
もっと言うと、自由に飛び回るなんて事も私には無理に決まっている。
それでも飛び出して、それでも追い掛けてくれたらな、とか思ってしまう。
けど、もしも追いかけてくれなかったらって思うと、震えて足が動かない。

「まあ、もしもの話ですし、やっぱり私は鬼道さんの傍が一番です」

「…よくそんな事が言えるな」

「あっ、嫌でしたか?」

「…そうは言っていないだろう」

「じゃあ拡大解釈しますね!」

「…好きにしろ、その解釈で、」

だからあなたの手の届く範囲で待っていますから、いつでも捕まえに来て下さい。

「…おそらく、間違ってはいない」

…まあ、既に捕まっているのと大差はないですけどね!!

(これだから、この人の傍からは離れられない)


***


うちの鬼道さんは田口さんを散々甘やかしてますけど、鬼道さんも大概田口さんに甘やかされてますよね。


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