小話
短いお話をつぶやいてみる。夢系の話が主になると思いますが、名前変換機能はないです。
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鬼道さんと私・12
鬼道さんと私シリーズの連載を始める前の設定の鬼道さんと田口さん。
つまりは没です。
特に鬼道さんに変わりはないですが、田口さんは当初夏美さんの妹という設定は付いておらず、
怪我している設定もなく、別にお金持ちでも何でもなかった一般庶民の設定でした。
ちなみに話は全国大会一回戦後の話。
********
「鬼道さん、雷門に行っちゃうんですか」
「ああ、お前にはなんだかんだで色々と世話になったな」
「私を捨てていくんですか」
「ぶっ!お前どこでそんな言葉を覚えたんだ!」
「源田が体育館裏で言われていたのを真似してみました」
「・・・そうか(何があった源田!)」
「でも結果的にそうですよね。置いていくんですから」
「・・・そういうわけでは」
「離れててもどこに居ても仲間だから大丈夫、なんていったら泣きますからね」
「・・・(言おうとしてた)」
「離れてるのに、どっかに行ってしまうのに、それでも大丈夫なんて、私は嫌です。
私は大丈夫じゃないです。鬼道さんは平気なんですか?」
「・・・田口」
「だから、私も連れて行ってください。
全国に連れて行ってくれるって、約束したのは、鬼道さんです」
こいつがここまで切実な言葉を吐くなんて、思ってもみなかった。
他の誰かならば、こんな無茶なお願いに真剣に考え込む事もないだろうに。
「お前は、それでいいのか」
その言葉に、満開の笑みでうなずいた。
「私の一番は、いつだって鬼道さんですよ」
なんだかんだで俺はこいつにはひどく甘いようだ。
「・・・ところで田口、転校するといっても住む場所は確保してあるのか」
「ああ、それは心配には及びません。まだ寒くないですから」
「・・・は?」
「冬になる前には、ちゃんと屋根があるところを見つけておきますので」
「・・・田口、もう一度言う、住む場所は確保してあるのか」
「大自然の中で寝たところで死にはしません」
「そういう問題か!まさか野宿する気だったのか!?」
「私は家になんて縛られる器の狭い女ではないですよ」
「・・・田口、そこに座りなさい」
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鬼道さんと田口さんはいっそ同居すればいい。