小話
短いお話をつぶやいてみる。夢系の話が主になると思いますが、名前変換機能はないです。
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鬼道さんと私・19
***
「高橋と田口って昔からの友達だったりするのか?」
「そうね…初めて会ったのは小四だから、幼なじみとは言えないけれど、そこそこの付き合いね」
「…ふーん」
質問をした事に特にたいした意味はないのだろうが、私の返答にどこか引っ掛かりを感じるのか、辺見君は生返事を返す。
「…なにか気になることでもあったかしら?」
「いや、ただ単に仲良いなって」
「そうね、今は同じ部活の部長と副部長だもの。仲が良いのは当たり前だわ」
「まぁ、そうだよな」
「それにあの子と居ると退屈しないでしょう?」
「…あー…、まあ確かに、何時もなんかすごいよな」
「ふふっ、でしょう?」
…もっとも、お得意先とは関係を良好に保つことが大事だから、っていうのもあるけれど。
その言葉を飲み込んで、私は静かに前を見据えた。
*
高橋さんは鬼道さんと夏美ちゃんを足したような複雑な立ち位置に居る。
とにかく面倒臭い。
鬼道さんと私・18
*
「佐久間ってさあー、なんで髪伸ばしてるの」
「別にいいだろ、どうだって」
「俺には負けられぬ誓いがあるんだ…!とかではなく?」
「おまえテレビの見すぎ」
「うわー、うわー、佐久間に言われたくねー!」
「ちょ、どういう意味だよ!」
「そのままの意味だけど」
「よし分かった、表に出ろ」
「その上野蛮ときたよ。鬼道さんを見習え!」
「…お前だけには言われたくねーよ!!」
でもその言葉が刺さったのは事実だった。
鬼道さんと私・17
時代とかは気にしたらいけない。
*
「私はあのお方のために存在している」
「あー、わかるわかる!私も鬼道さんが居てくれるから幸せだって思う」
「そうだな、あのお方が喜んでくれるのなら、私は幸せだな」
「鬼道さんの幸せが、私の幸せみたいな」
「そいつの未来に、自分が居なくても、か?」
「さあどうかな、私は優しい人間ではないから」
「そうか?だが、生温い方だろう」
「ええ、そうかなぁ」
「おまえ達は生きるということに希薄だ」
「…かすがちゃんには言われたくないなぁ。それに私は意外と貪欲だよ」
「…そうは見えないな」
「貪欲だよ、欲張りだし、強情でわがままな上にしぶとい。だから鬼道さんも夏美も帝国も雷門も、何も諦められない」
「大切なものを沢山持っていると、何もかもを守れないぞ」
「あはは、だから言ってるじゃん。私は欲張りなんだよ」
*
噛み合っているようで噛み合わない会話。
田口さんとかすがちゃんは似た者同士だけど方向性が違う感じ。
鬼道さんと私・16
鬼道さんと田口さん
***
「鬼道さん、見てください」
「・・・どうしたんだ、それ」
「家庭科研究部の友達に作ってもらったんです。どうですか?」
「どうって言われてもな・・・」
放課後ばったり出くわした彼女は俺がグランドで着ているような真っ赤なマントを着ていた。
違いといえば、マントを前で止めている紐がふんわりしたリボンに変わっているくらいだろうか。
それを嬉しそうにはためかせながら、田口はキラキラした目で俺を見てくる。
「ずいぶん嬉しそうだな」
「はい、嬉しいです!」
「・・・そんなに嬉しいのか?」
「はい、だって」
これで鬼道さんとペアルックですよ!
そう高らかに宣言した彼女に俺は開いた口がふさがらなかった。
*
「・・・恥ずかしいからやめろ!」
「ええっ、せっかく作ってもらったのに!」
「いいからやめろ!」
***
鬼道さんとのペアルックって激しく目立ちますね。
さよなら空虚01
鬼道さんと私シリーズに出てくるオリキャラ調理部部長「高橋 菊」の設定を
煮詰めすぎてしまい、新たにシリーズを考えてしまった。
鬼道さんと私シリーズと同じ時間(同じ登場人物)を共有してはいるけど、別サイドストーリーみたいな。
たまに同時進行したりとか。
時間軸がエイリア終了後からなので鬼道さんと田口さんは雷門に居る。
まだ日本代表選抜とかはされていない。
分かってる、私だけが楽しい。
***
「・・・これは一体どういう事?説明して下さる?」
ヒクリと口元が引きつった私に、黒服の男たちはいつも通り事務的に淡々と口を開く。
「旦那様のお知り合いの方が経営されていた孤児院の子供です。
ゆく当てが決まっておりませんので、当面はこちらで預かる事になりました」
なりましたって、すでに決定事項なのか。
そしておそらく自分に拒否権はない。
ああ、ったく、あのくそ親父、・・・っていけないわ、はしたない。
・・・とにかく、そんな大事な事ならせめて自分で言いに来てほしいものだわ。
そう思ったが、後ろに付いているその子供とやらがものすごい神妙な面持ちをしていたため、この場での言及は諦める事にした。
・・・どう見ても、同年代もしくは年上なのだろうが、孤児院、という特殊な状況を知らない私は、
彼が今どんな気持ちでここに居るか分からない。
でも、不安なのだということくらいは容易に想像がつく。
「・・・了承しました。そう、お伝えください」
「それでは、私たちはこれで・・・」
用件が済めばさっさと退散していく黒服たち・・・あれは父の使いの者だ。
こうして言付けからボディーガードまで何でもやるそうだが、私は彼らの名前も知らない。
でも、顔は見た事ある、うちに来る人は大体決まっているから。
でもそれ以上の事は、望めないし、望まない。
すべては仕事上の事なのだから。
黒服を見送り、玄関先で立ち尽くす彼を招き入れる。
「はじめまして、高橋菊です。これから、よろしくね」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
できるだけ柔らかい笑みを浮かべ、彼に声を掛ける。
緊張しているのか、あまり目が合わない。
けれどきちんと会釈をするこの人は、多分真面目な人なんだろう。
大きく玄関の戸を開け放ち、私がその中に入ると、後ろについて家の中に入ってきた。
「この家には、私とあと一人、住み込みで働いている使用人の川中紅葉、という女性が一人居るわ」
「・・・こんなに広いのに、二人だけなのか?」
今まで黙っていた青年が私の言葉に驚いたように言葉を漏らす。
ほとんど無意識だったのか、先ほどとは違い敬語ではなかった。
おそらく、それが地なのだろうが、失礼にあたると思ったのか急いで口を閉じた。
・・・私はちっとも気にしていないのだが。
「ええ、たまにハウスキーパーは来るけど、基本的に居るのは二人よ。」
「そう、ですか」
「ええ、部屋も空いているところなら、好きなところを使ってくれていいわ。今案内するわね。」
案内しようと、階段に足を掛けるが、そこでふと気が付いた。
くるりと振り返り、ロビーで立ち尽くしている彼らに問いかけた。
「その前に、肝心なことを忘れていたわ。貴方の名前を教えてくれる?」
「・・・砂木沼治です」
「そう、砂木沼さんね。これからよろしくね」
ポカンとした顔をする青年に、私はとびっきりの笑顔を浮かべた。
***
鬼道さんと私シリーズ派生
タイトル:「さよなら空虚と退屈な日々」(砂木沼さんと一つ屋根の下シリーズ)
・第二期が終了した後のお話。
鬼道さんと私シリーズに出てくる調理部部長が砂木沼さんと一緒に生活していく話。
田口さんも鬼道さんも帝国から居なくなったし佐久間と源田は真・帝国でアーッ!だしみんないなくなって部長はとても退屈。
そんな時に砂木沼さんやってきちゃった。←
部長は大きい別荘みたいな洋館に幼いころからのお世話係の川中紅葉(28)と二人暮らししていた。
紅葉さんは部長にとってのお姉さんのようであり、いい相談相手。
父とは仕事の関係で年に一回会うか会わないかの関係。
父は別に嫌いではないが勝手な人だとは思っている。
ちなみに部長はサッカーはまるで分からない人です。
ああ、あのボール蹴ってものすごく走るスポーツ?くらいの認識。
・砂木沼さんについて
第三期の世界大会が15歳以下、と銘打たれているので15歳以下なんですよね。
とりあえず15歳と言う事にしておきます。
お日さま園はどうなったのか分からないですが、今まで通りにはいかないだろうし
代表選考後、ネオジャパンで瞳子監督に砂木沼さんが久しぶりに会ったみたいな描写があったので
砂木沼さんがどこで暮らしているのか本当に心配になった。
心配になったので住む場所をねつ造したらこんな事になった。